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⑤ガン発症と6臓6腑の関係
 人間は生来体質的に強い所と弱い所を持っています。
例えば内臓において弱い所というのは組織として、消化液、分泌液、外来による細菌等にさらされた時、当然早く壊れてしまうのでこれを再生しなければいけません。

 この破壊・再生の回数が普通よりかなり早まり、その期間も5~10年に及んだ時、再生する細胞の遺伝子に異常が起こり、本来ならば組織を再生したときに分裂が止まらないといけないのに、さらに無限に増殖を続けてしまうという状態に至るのがガン化というもので、ガン細胞の元は自分の細胞なのです。

 元々、体細胞というのは、組織上のある特定の働きのみを受け持つように特化されたもので、遺伝子レベルでは再生の作用はあるが、増殖は一定のところで止まるという抑制の作用も持っているのです。
これが自律神経の乱れ等による白血球中の好中球(顆粒球)の増加により、古い細胞を処理する作用が異常に高まったときに、好中球の内容物(強い酸化作用を持つ)が外に漏れ出て、これが正常な体細胞に触れる事により、正常な増殖機能の変異により、成長の抑制が効かない異常な細胞(ガン)に変わってしまうという事です。

一方、この異常細胞を貪食してしまうのが、リンパ球中のNK細胞などといわれているものです。

 ガン発生の基本には6臓6腑の変調というものが常に存在するのです。
この弱りの原因として、元々体質的に弱い(先天の気)とか、生活環境(後天の気)の乱れがあります。

次に、増殖してどんどん大きくなったり、移動したりして、ガン細胞の存在が高まってくる理由として、漢方的には、腎や脾の弱りとしての生命力の低下、つまり、正常な体細胞の増殖の低下が考えられます。
 その結果、身体全体としての増殖しつづけるガン細胞を発生させることによって、全体としての細胞増殖のエネルギーのバランスをとっているとも考えられます。
これも基本に6臓6腑の変調により、発生すると考えられるのです。だからガン発症のいずれの原因にしても6臓6腑の乱れが基本にあるわけです。

 鍼灸治療の特長は、
いかなる局所、全体の病であっても、本治法として6臓6腑の乱れとして捉え、それを同時に経絡の乱れとして考えます。
結果、異常を示すツボを「証」を正しく取ることによって見出し、そこに鍼灸をすることによってバランスをとっていくという事により、正常細胞の活性化をおこない、ガン細胞を不必要にすればよいのです。

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