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考える臓器『小腸』
一般的に、小腸の作用は、脳の働きとは無関係に独自の判断により、食物中に含まれる各種の 栄養分を分析し、吸収し、静脈血に入った栄養分は肝臓に入り、リンパ管に入った栄養分は、胸部を巡り静脈内に入り、心臓に至るという働きをします。
ところが、小腸には、もう一つ非常に大きな作用があります。
小腸内に、食物が入ってきたときに、免疫機能が働きます。
その時、異常に高まった免疫反応は低下するという現象が起きるということです。
つまり、小腸には、必要な免疫反応を高める作用と、異常な免疫反応を押さえるという作用が含まれているということです。
小腸は、免疫作用を高めるか、押さえるかを考え、判断し身体を正常な状態へと導くのです。
このようなことから、漢方では小腸を非常に重要な臓器と考え小腸を整えることを重要な治療点とします。
免疫機能が、異常なために起こる病気には
アレルギー疾患には鼻炎、アトピー性皮膚炎、じんましん等
膠原病には慢性関節リウマチ、全身性エリトマトーデス、リウマチ熱、ベーチェット病等

こういった病気は全て、小腸の調子を整え、正常に導くことにより、今の状態よりは改善されることが多々あります。
さアー、それでは、漢方理論による、小腸を整える治療法を述べることにしましょう。
小腸の具合を見るには、小腸経の原穴である腕骨(わんこつ)と言うツボを捜します。(図2参照)
小腸に異常があるときは、軽く押さえるだけでもかなりの痛みを感じるものです。
ここに、鍼や灸で刺激を与えます。家庭ではお灸や指圧が最適でしょう。
もっと効果を上げるためには、腰の、小腸兪.次りょう(背面図参照)に鍼灸治療を行います。
ところが、この二つのツボは、背面にある為自分でお灸をすることができません。

そういう場合は、募穴と言って腰に変わるツボが腹部にあります。
このツボは、関元(かんげん)といって、恥骨とへその中間あたりで押さえてみて気持ち悪いとか、痛みを感じるところです。(前面図参照)
これなら、自分自身でお灸をすることができます。
この様に、漢方治療は正しいツボさえ正確にとれば親切で、効果的な治療法といえます。
以上のようなツボを、刺激することにより小腸の調子を整え、身体全体の免疫機能を正常に近づけていくことが大切です。

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