脱毛のメカニズムとツボ


人体には二つの脳があるといわれており、一つは頭部に、もう一つは下腹部つまり大腸、小腸など骨盤内部にあります。
これは太陽神経叢のある場所にも一致します。
つまり頭部(頭皮も含む)の血流と下腹部の血流は密接な関係があるということです。
脱毛の直接的な原因は、頭皮の血流が悪いということですが、これは同時に下腹部にうっ血を起こしていることを意味します。
下腹部のうっ血の原因の主なるものは、ストレス等により肝臓に負担がかかった場合で、門脈(弁がない)の血流が悪くなり、下腹部の大腸・小腸にうっ血部分が多くなるのです。
治療法としては、
①ストレスに強い体づくり⇒腎臓・副腎を強化する
②下腹部のうっ血をとり除く。
下腹部のうっ血は、頑固なもので短期的には非常にとれにくい)


はじめに 毛髪の成長を左右する条件


よい条件


*頭髪をきれいにして、皮膚呼吸が充分にできるようにする。
*できるだけ夜11時から2時までの時間帯は睡眠をとるように心がけ、
成長ホルモンンの増量を促しましょう。
*精神的、肉体的ストレスを和らげる工夫をして、自律神経の安定を図り、血管の血流をよくするようにしましょう。
*肝臓を養生して、皮下組織を柔らかくしましょう。
・偏食を避け、微量栄養素を多くとる為に、緑黄色野菜を十分に摂ると、肝機能は向上します。
・小腸の働きをよくして、門脈(血管)を通じてよい血液を肝臓に送るようにしましょう。
・腎臓の負担を避けて、よい血液を肝臓に送るようにしましょう。


悪い条件


*頭皮に強い刺激(強いブラッシング、強くたたく、強く長い時間のマッサージ等)を与えると、生体の防御反応により、表皮が硬くなり、血行不良の原因となる。軽く、気持ちのよい程度の刺激を与えましょう。
*髪の為の良いと思っての過度のシャンプーは、頭皮の脂分を取り過ぎるので、生体の過剰反応により、より多くの皮脂が分泌され、そこにふけ、ゴミ等がくっつき、髪の呼吸不足を引き起こします。
簡単おすすめ洗髪法
普通の石鹸で、2日に一回シャンプーし、間の1日はぬるま湯ですすぐだけというのも意外と良い方法です。
*夜更かしは、髪の成長ホルモンの分泌を少なくする為、毛髪の成長が妨げられるます。
又、自律神経の乱れも生じさせます。


脱毛症における漢方的考察


毛髪は、皮膚の変形したもので、人体の外側に発生するものですが、これを支えるものは、漢方理論によると、『心・小腸』となっています。
漢方理論でいう『心』とは『心臓』そのものとは少し異なって、全身を流れている血液の循環作用のことを、主に意味します。
次に、『小腸』は『考える臓器』とも言われ、この場所では、口から入った食物の栄養物の吸収の選別が行われ。必要なものが血管とリンパ管に別れて入って行き、心臓の活性化にも非常に重要な働きをします。
つまり、血液の循環と小腸の吸収作用が順調ならば、毛髪の状態も良くなるというわけです。
毛髪状態の不調は、『心・小腸』の変調であるとするならば、これを強化するにはどうしたらよいのでしょうか。
漢方理論によると『心・小腸』を強化するには、『肝経・胆経』を調整する必要があります。
なぜならば、漢方では、五臓六腑はお互いに関係しながら循環しているという基本的な理論があり『肝・胆』は『心・小腸』に影響を与えるとなっているからです。 

循環の理論

肝臓の主な作用としては、代謝、分解、解毒、等ですが、漢方ではその作用の一つとして、特に肝臓と「全身の筋肉との関係」を重視します。
つまり、筋肉中の疲労物質の一つである乳酸なども、肝臓中でグリコーゲンに変えられて、再び筋肉の栄養として巡っていく等の作用があり、肝機能が良好であれば、頭皮組織を含む全身の筋肉組織の状態も良くなって、その間を流れる血管の圧迫も少なくなり、血流もよくなるという訳です。
それでは、肝臓機能を良くするにはどうしたらよいのでしょうか。
それには、腎臓と副腎の作用を安定・強化する必要があります。
(『腎・副腎』は『肝臓』に影響を与える。)

肝臓の働きを高めるには、腎臓機能を高め血流のろ過作用を高めて、良い血液を肝臓に送る必要があります。良い血液が肝臓に送られれば、ステロイドホルモン等の材料になるコレステロールが多く作られます。
この時、副腎機能を高めれば、ストレスを和らげるためのステロイドホルモン等を多く作ることができストレスに対する、肝臓の負担を低下させることができます。
又、副腎は、自律神経とも深い関係がありますので、自律神経の働きを正常化させます。
次に、腎臓・副腎は、骨髄機能にも作用して、血球、造血にも深い関係を持っています。
以上に述べましたように、人間の外側(皮膚・毛髪等)の病変も、原因は、人体内部の五臓六腑の変調が原因であり、その臓腑もお互いに密接な関係を持ちながら存在しているということです。
つまり、脱毛症の原因と治療においては、各人それぞれの体質を調べて、心・小腸・肝臓・腎臓の強弱を診て、判断していくのが正しいと思います。


幼年期より中学生くらいまでに多く現れる脱毛症


この年頃の人に現れるのは、円形脱毛症や、アトピー皮膚炎を伴う脱毛症が多くあります。
このような場合、本人の体がまだ充分に完成されていない為に、五臓六腑の強弱があるところに、外部からのストレス(家族関係・友人関係・住居関係・環境の変化など)が、強く加わったときに発症します。
それではなぜ髪に現れるのでしょうか。
ストレスは、人体の五臓六腑に負担をかける為、これを守るための作用は、どうしても重要なところを重点的に守ろうと活動します。
その場合、生命維持にあまり関係のない体の末端部の、毛髪の成長に必要な活動が おろそかになってくる為に現れるのが脱毛症状なのです。
だから基本的には、脱毛症状は体調不備の結果であり、原因となる心配はいりません。
子供の体というものは、漢方理論によると、『先天の気』といわれる、遺伝的要素が強く現れるものです。遺伝的要素は、主に、腎・つまり副腎機能に影響を受けます。
ここ(腎・つまり副腎機能)が未完成で弱い状態が続くと、やがて肝臓へ負担がかかり、続いて心臓、小腸へと影響が出て、毛髪の発育不全へと繋がっていくのです。
そこでこういう場合の最も大切な漢方治療は、副腎機能を安定させることとなります。
そうする事で、副腎から、ストレスを減少させるステロイドホルモン等の分泌を促進させるのです。


幼年期より中学生くらいまでに現れる腹部、背腰部のコリ


 腹部に現れるコリ:腹全体が黒ずんで硬い

背中に現れるコリ
①大腸の弱り:②肝臓の疲れ
③副腎の変調


次に考えなければならないことは、胃腸と臓器との関係です。


副腎と大腸の間にも密接な関係があり、便秘、下痢等の大腸の変調が副腎機能の低下をもたらす面も多いので、大腸を安定させることが非常に大切になります。
しかし基本的に、この年齢の人は、生命力が非常に強いので、ツボ療法といっても多くとる必要はありません。
つまり、背腰部に大腸と副腎のツボをとり、そこの刺激を与えればよいのです。 

①身柱(肩甲骨上部を結ぶ線が、背骨と交わるあたりで、指で押してみてへこんでいる所で本人が痛がる部分。) ②腎兪(肩甲骨下部と腸骨上部の間を三等分した下部で、背骨より左右に指1から2本くらいの所で、押してみて気持ちが良かったり痛みを感じる部分)
但し、この場合は背腰部のみの刺激になりますので少し詳しく述べます。
まず、うつぶせに寝かせて①身柱 ②腎兪の位置を正しく調べて、マジック等で印をつけましょう。
次に、このツボのあたりを軽く指圧して、間接灸をします。
普通、気持ちが良いというものですが、皮膚が敏感になってる場合もありますので、本人が熱くて我慢できない時はすぐにとってあげてください。
お灸は1日1回、1日おきにしてみてください。
どうしてもお灸を嫌がる場合は、①身柱 ②腎兪のツボに指圧をしてください。
又、上図の背腰部全体を指圧する方法もお試しください。
先ず大切なことは、本人が気持ちが良い強さで指圧することです。
図①の線上を首の上部より、背骨の上でへこんだところを中心にしてくるくる回すような要領で、上から下に向かって指圧します。
本人に確認しながら痛い所や、気持ちの良いところは少し多めに揉むようにします。
次に同じ要領で、背骨の両脇の部分である②の線上を上から下に揉み、背骨から両側2~3センチ外の③の線上を上から下に揉みます。
①②③を揉むのを1回としこれを3回くらい、朝・夕に繰りかえすと良いでしょう。
時間があれば昼間にするのも良いです。
この方法により、五臓六腑すべてが調整され、毛髪の成長力が増してきます。
高校生より30歳くらいまでに多く現れる脱毛症


この年頃になると、五臓六腑の調和はとれてくるのですが、最近の栄養状態のよさから、人体が成長しすぎる傾向があります。
その為、年の割には、自律神経系、内分泌系のアンバランスな状態が少し残る傾向にあるようです。
その為に、体が少し未完な状態に陥り、どうしても自己防衛反応が強くなって、物事に対して消極的であったり、流されやすい傾向が多くなります。
このような心理状態、保身状態の時に、家族や周囲等の期待や考え方が、本人の考え方と異なったりした場合、本人は周りと合わせようとします。
そうすることによって、本態的に自分の身体にストレスを溜めてしまう事になるのです。
このような場合自分の考えを、あくまで第1とすることが自分の身を守ることにつながります。

しかし、そうできないから脱毛症状が出ているわけですから、そのメカニズムと対処法を述べます。
ストレスを改善するには、五臓六腑、特に副腎において作られるステロイドホルモンを多量に必要とします。
その為には、その原料であるコレステロールを肝臓で大量に作らねばならないので、肝臓の働きが過剰になります。
このような状態がある程度長期にわたって続くと、肝臓が疲れてしだいに肝の血流が悪くなってきます。
そうすると、小腸から肝臓に栄養を運んでいる門脈(血管)の流れが悪くなり、小腸周辺にある腸間膜の血流が悪くなり、うっ血を起こしてきます。
人体において腸間膜のうっ血と頭部のうっ血は連動性があるので、このような場合は当然頭皮の血行不良が続くことになり、毛髪の発育不全から脱毛症へとつながるのです。


うっ血を起こしているかを調べる方法


腹部を上にして寝て、肩の力を抜いて、他の人にへそを中心部分をぐっと静かに圧してもらうと、うっ血がある場合、皮下にまるで板でも入っているかのような硬さが感じられます。


中年以降に多く現れる脱毛症


多くの場合は長年の不摂生により、胃腸の働きの低下によるものです。
胃の低下作用は小腸を通じて、大腸の能力低下へと続き、これは次に副腎へと影響を及ぼしていきます。
よって、胃の調整を第一に考えて、地祇に、腸、特に大腸の養生を考えるべきです。
養生法として、ビール等を多飲してお腹を冷やさないようにすることも大切です。
どうしてもビールを飲みたい場合は、日本酒等を少量飲んでお腹を温めてから、ビールを腹八分に飲むようにしましょう。
又、日光が当たりすぎるようなときは、頭髪を守るために通気性の良い防止かぶる必要もあります。