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③自律神経と経絡・ツボの関係
 人体を構成するすべての内臓器官、
組織、それに体内を自由に動き回り体内、外由来の異物を排除する白血球もすべて自律神経(交感・副交感神経)支配下にあります。

つまり、自律神経の働きいかんによって体調の善し悪しが決定されるという面もあります。
 漢方の世界では自律神経等の働きを細かく、6藏6腑に分けて考え、これを実際の神経走行より、もっと機能性を重視した、実際の反応の現れる皮膚上の点(ツボ)の流れとして、経絡を考え出したものです。

経絡には、三陰三陽の基本があります。
例えば腕においては、
陰として太陰肺経、厥陰心包経、少陰心経があり、
陽には、太陽小腸経、少陽三焦経、陽明大腸経と、
それぞれ腕の外は陽経3本、
内は陰経3本というふうに
経絡が流れています。

 次に足においては、
陰として
太陰脾経、少陰腎経、厥陰肝経、
陽として
太陽膀胱経、少陽胆経、陽明胃経
と、陰陽3本づつの経絡が流れています。

 自律神経が腕や足の内外に3本づつ走っているというような事ではなくて、あくまで機能面での反応するツボの連続線ともいえるものです。
 では何故3本の経絡の流れが手と足に考えられたのでしょうか。

いわれているのは、古代中国において、自然の変化と人間の盛衰を描いた書、『易經』によるところが大きいようです。

 易では、ものの基本として陰陽を等分に含んだもの、これを太極として考え、混沌とした、形のないようなものとして考えました。
この太極より一陰、一陽が生ずることにより、万物が生長、輪廻すると考えました。
これを記号化して、
陰を「」、陽を「」、としました。
これが次に発展して
」、「」となり、さらに「」、「」となります。
 これがさらに万物の要素を取り込んで、どんどん増えていきます。
最大の要素を含んだ最小の数として3という数字を選びました。

 つまり、腕において表れる体内機能の反応点の連なりとして3つの線に分けることが最も合理的と考えられたのでしょう。
これが三陰三陽における手・足を流れる3本、3本の流れとなったのでしょう。
左右あわせると24本となり、内側の正中線にある、任脈、背側の正中線にある督脈を含めると、基本的な経絡だけで
26本の経絡が流れており、その上には自律神経の調整力が強いツボが350あまり存在します。

 よく経絡とかツボという言葉を耳にすることもあると思いますが、実際人体のどこをどのように流れているのでしょうか。
それ以前に経絡とはどのようなものなのでしょうか。
この流れは、基本的には気血の流れとして捉えられています。

 気とはいわゆる生命のエネルギーを表すもので、これには「先天の気」と「後天の気」の2つに分けられます。
「先天の気」は両親より受け継いだもので、遺伝子に関わり、体質等を表すものです。
漢方的には「腎」といい、主に副腎ホルモンを示しこれは腸内細菌によって強化され、骨髓における血球に影響を与え身体を守るための白血球などの免疫力をも左右します。

「後天の気」とは、
この腸内細菌の住む腸管に関係する胃腸及び、これをうまく作用させる働きを持つすい臓や脾臓などにより得られるエネルギーを示し、漢方的には、「脾」という言葉で表します。

次に、「血」とはいわゆる血液、リンパ液のことで、体内をめぐるための推進エネルギーとしての力とも考えられています。
また、ツボは、6臓6腑に影響を与える気血の反応点、つまり自律神経の調整点ともいえるものです。

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