漢方経絡法による治療の特徴
①まず、どこをどのように改善することを目的としているのか
前述したように、眼の網膜にある色細胞で感じた赤・緑・青の色情報が赤緑・青黄・白黒情報へと変換される過程に問題ありと仮定し、なおかつ、この変換器官、機能が正常であるとすると、ここにおける漢方で言うところの、気血の滞りということが解決の糸口として浮かび上がってきます。
それでは気血の気とは何か、これは目に見えないもの、つまり酸素・窒素・炭酸ガス等や、人体の生命活動によって生じる神経の走行に伴う電流・電磁波等を示し、一方、血とは目に見えるもの、つまり血液・リンパ液・体液等を表します。
以上より、漢方的には、この色情報の変換課程の気血を正常化することが目的となります。
②どのようにして、その人固有の身体情報を得るか
一般的には色覚低下の場合は均一的な治療が多いのですが、漢方治療の大きな特徴として、その人固有の身体情報を的確につかむ事によって、回復の効率を高めることが出来るので、まず腹診といって、腹部を触診することから始めます。
漢方では12経絡といって、6臓6腑の反応点のつながりによる線が頭から手・足まで、またその逆の方向へと縦の流れとして「経」として存在し、またこの流れを横につなぐ線としての「絡」として、体全体をまるで網の目のように覆っています。
特に腹部においては、これらの経絡が集中しているので、腹部の状態を診ると6臓6腑の動きがわかるという事です。
このようにして、その固有の身体情報をつかんで、これを治療時の基本としていくのです。
③肝経と目
6臓6腑と目の関係についてですが、漢方では目・鼻・口・耳等の外部のものと内臓には密接な関係があるとする基本的な考えがあります。
特に目については、“諸脈、目に集まる”
“肝は目にひらく”といって、
肝経と目の関係を重視しています。
つまり、色覚低下の人は

肝経の乱れがみられ、

これを補う腎経

にも偏重が表れています。
これらの肝経と腎経を主にととのえ、なおかつ諸脈目に集まる、といわれるように、

心経胃経肺経

も調整していきます。
特に諸脈という意味の中身について、6臓6腑というものはすべて自律神経が深く関わっているという事があり、これを調整することも重要となります。
このような方法によって、より効果的に改善に導いていくのです。
④反応の表れる経脈
まず局所的な反応点(つぼ)は、
目の周囲にある

胆経.胃経督脈

に多く反応点が表れ、これらを助ける

小腸経 大腸経腎経

等にも反応点が多く表れます。
これ以外にも、腹診の結果、その人特有の経脈上にも反応点が出てきます。
以上のつぼに刺激を与えることにより、より効果的に色覚の向上が得られます。

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