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Hガンを鍼灸治療によって改善させる手順
 まず最初に、その人はどのような体質でどのような生活環境によって発ガンしたのかを探る必要があります。

 漢方的手法として、腹診といって、腹を軽く押さえながら腹部を通っている、任脈・腎経・肝経・脾経・胆系を詳しく探っていきます。
さらに胸部においても、腎経・胃経・肺経・心包経をさぐり、次に手において小腸経・心経・三焦経・心包経・大腸経・肺経をさぐり、そして足において腎経・脾経・肝経・胃経・胆経・膀胱経とさぐっていきます。
 つまり腹部を中心として、胸部・手足の経絡の状態を知る事によってどのツボにどれくらいの鍼灸の刺激を与えればよいのか決定するのです。

 ガンの発生は6臓6腑の乱れ、つまり自律神経における交感神経・副交感神経のどちらかに大きく偏った状態によって起こることが多いのです。
漢方的にはこれを経絡の乱れと考えて、そのときに表れるツボの状態を調べて、頭部・手足の適切なツボに鍼治療をしていきます。
鍼の前後における腹部の経絡の変化を調べることも重要です。
さらに脈診により前後の自律神経の変化も調べる必要があります。
 手足の鍼による身体への効果は一般的に一週間ぐらいです。
 特にガン発症の体というのは、体細胞全体の弱りという状態が多いのでその人の体の状態によって、自分で重要なツボに灸をすえる必要も出てきます。
つまり、個人にとっての最適な刺激量を得るために鍼や灸、それに指圧などを組合わせてやるとよいのです。

 重要なツボへの鍼や灸・指圧などによって自律神経はバランスのとれた状態に近づいてくるのですが、その結果の表れは血液検査における白血球の内容に出ます。
 一般的に、発ガンの体調においては、顆粒球(好中球)が60%よりかなり高くなっておりリンパ球は35%よりかなり低下している状態が多いです。
少数ながら、逆にリンパ球が35%よりかなり高くなって、
顆粒球が60%よりかなり低くなっている状態の場合もあります。いずれにしても、ガンを消し去る値としては
マクロファージ(単球)5%ぐらい、顆粒球(好中球)60%くらい、リンパ球35%ぐらいに近づいてくるとよいようです。

 しかしながら、鍼・灸・指圧等によってリンパ球が内容的によくなり数も増えてくる過程において、
ガンを攻撃するリンパ球(NK細胞等)の活性を高めるために
脳内の発熱中枢が作用して、体の発熱、それに続く血管拡張物質のプロスタグランジン等による痛み、不快感が1週間ほど続く事がありますが、
この時には解熱剤や痛み止めは避けたほうがよいでしょう。

 またガンマーカーや、腫瘍マーカーも、がん細胞が壊れ始めると上昇することがあるので注意が必要です。
 次に原発ガンが弱り始めると、ガン細胞は生き残りをかけて転移することが多いので、一般的には転移ガンは組織的にも弱いものが多いようです。

 以上のような考えで鍼灸治療を行う場合、特に鍼治療は週1回を基本としますが
これに対応できない方は、全体の刺激量を一定に保つために、自分でできる灸・指圧療法を加えていきます。
来院時の服装は、首の前面が出て、掌は肘まで、足は膝まで上がる服装でよいでしょう。
基本的に着衣の状態で治療します。

 お灸療法については、かたが残るし熱くて苦手という人は、
市販の線香をツボに近づけて、やけどしない程度の熱感を得る
という方法もあります。

 次に、有効なツボとして、井穴の存在というものがあります。
これは手・足の末端部の爪のきわにあるもので、
まさに井の字のごとく経絡の変調の湧き出る所で、ここに刺激を加えるのもよい方法です。
 方法としては、指揉みや、指圧や、線香を近づける等のやり方があります。

 次に、手足の井穴の位置と経絡名を示しておきます。


足の井穴
@太陰脾経 A厥陰肝経
B陽明胃経 C少陽胆経
D太陽膀胱経E少陽腎経

手の井穴
@太陰肺経 A陽明大腸経
B厥陰心包経C少陽三焦経 
D少陰心経 E太陽小腸経
 手・足の肘から下、膝から下の
三陰三陽の経絡の流れを示したもので
●は重要なツボで、
矢印は経絡の方向を示しています。

A:心経  B:心包経 C:肺経
D:大腸経 E:三焦経 F:小腸経
G:脾経  H:肝経  I:腎経
J:膀胱経 K:胆経  L:胃経


 これらの図を見て、
経絡の流れと重要なツボの多いところを
感じ取ってください。

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