⑰体温と体調
 一般的に体温が36度以下の時というのは、ストレス等で体の緊張が高まり、自律神経が交感神経優位となって、全身の血管が収縮し、各内蔵が血液不足になるため、これを改善するための血圧上昇も伴ったような状態で、体温の低下として現れてきます。
また一方で、これとはまったく逆で生活環境が良すぎる事で、体がリラックス状態になり過ぎてしまい副交感神経が優位になって、全身の血管が緩みすぎ、拡張しすぎるために血流が悪くなり、各内蔵が血液不足になり、
低血圧を伴って体温低下を招きます。
もっとも、以上のような経過以外にも遺伝的な要素も多くあり、いわゆる体質的なものとして考える必要もあります。
 特に現代社会において、アレルギー体質というものが多く現れていますが、これがいわゆる副交感神経優性型の体質です。
よい体温というのは、一般に36.5~36.8度で全身の血流が大変良い状態を示すことにもなり冷え、寒さをもっとも嫌う腎臓にとっても大変良い事です。
ですから自分の体温を知ることによって、これを上昇させる養生法、治療法を積極的に取り入れてなによりも大事に至る前に予防するということが重要です。
 ここに未病を治すという漢方の神髄があります。

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