③腎臓の症状
①急性腎炎②慢性糸球体腎炎③糖尿病性腎症 ④腎硬化症 等があります。
以上の様々な症状について共通していることは、腎臓のアレルギー性です。
 このような体質を漢方では、先天の気といい、また腎は先天の気ともいいます。
具体的には、過労、強い恐怖感、食べすぎ等によって自律神経が乱れその結果、交感神経や副交感神経がどちらかに大きくぶれてしまい顆粒球(好中球等)やリンパ球の量、活性度の大きな偏りにより腎臓内の糸球体や細尿管の組織破壊が進んでしまい、腎臓の機能低下を起こすという事です。
①急性腎炎については、
子どもの場合、腎機能が未熟な上にアレルギー性を伴っている場合にリンパ球が過剰となって、腎組織を刺激するために炎症を起こしてしまうという事で予後はよいようです。
また成人の急性は、過労や強い恐怖等によって交感神経が高ぶって、腎組織に入る血管が細くなって栄養不足になり、なおかつ白血球の顆粒球などが増えすぎて、糸球体や細尿管にダメージを与えてしまうという事です。
ただし、これも予後はよいことが多いようです。
②慢性糸球体腎炎については、体質的な問題も多くあって、いわゆる先天の気と表現されているものですがこのような人は、疲れやすい、ものに対して恐怖感を抱きやすい、耳が変調しやすい、喉が弱いなどの特性があります。
このような人が何らかの環境の変化で、強いストレスをある一定期間受け続けると当然、自律神経の交感神経が高ぶって、白血球中のマクロファージの命令により顆粒球が増えすぎて腎臓中の糸球体や細尿管の組織破壊を起こしてしまいます。
と、同時に交感神経の興奮によって、腎臓に流入する血管も縮小するので機能不全になりがちになります。
ところが人体には常に正常に保とうとする力が働くので、
交感神経緊張の場合は逆に副交感神経反射という、全身の血管が拡張する作用が当然起こってきます。
その結果、血流が悪くなったり、リンパ球が増えすぎて、
これが腎臓の組織をいためるということも起こってきます。
また体質的に腎臓が変調しやすい人というのは、
腎臓において骨髓に作用して、赤血球、白血球等のもととなる
血球を作り出すホルモンの活性度が低調気味になりやすいので、
風邪等の菌が口腔内に侵入してきた時に通常より多くの菌と白血球の免疫複合体が生まれてしまい、
これが血流に乗って、腎臓内のろ過の網に引っかかり、これを取り省く為に
内部のマクロファージや顆粒球、リンパ球等の作用によって、炎症作用として表れてきます。

腎臓の造血作用とホルモン
造血ホルモン
体の血球が減ってくると、体全体が酸素不足になって機能低下を招くので、これを感知した腎臓がエリスロポエチンというホルモンを分泌して骨髓に作用し赤血球を増産するように働く。
次に赤血球の元は多能性幹細胞といわれるもので、白血球や血小板の元ともなっているものです。
だから腎臓分泌ホルモンは、体外・体内免疫や体の修復に深く関わっている可能性があります。


③糖尿病性腎症
血液中に糖が多くなって、その期間が長引くと腎臓に変調が生じてくるというもので、<血液中に糖が多くなるという事には、腎臓への2つの大きな作用があります。
1つ目は食べ過ぎによって、血液の富栄養化が起こると、糖とタンパク質が結合しやすくなりより大きな分子構造となって、腎臓で目詰まりを起こす事で
2つ目は血液中の白血球が、本来は人体にとっての不要物を貪食しなければならないのに
血糖が高いと、優先して糖等の栄養物を飲み込むために、
血液の汚れや不要菌が貪食されずに増加して、これも腎臓の負担になります。
④腎硬化症
 腎臓内の動脈硬化が見られるもので、高血圧も同時に見られます。
そもそも血管の壁というものは、白血球が多量に集まっているところなので白血球の貪食作用により、
たえず血液中の不要物を食べて、血管外に排して小便を通して腎臓、
呼吸を通して肺、便を通して大腸、汗で皮膚から、という様に体外に排出しています。
しかし、精神的ストレスによる腎臓よりの造血ホルモンの弱りや、
血液の富栄養化による血管壁の貪食作用の疲れ等によって、動脈が次第に硬化して、
血の流れが少なくなると、ホルモンの作用で血圧を上げて、腎臓内に多くの血液を取り込もうとします。

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