⑧腎と食について
腎臓の変調には食事療法が第一といわれています。それは何故でしょうか。
食事をたくさん摂り過ぎてしまう大きな原因の一つが、ストレスによる交感神経の高まりです。
これだけで腎臓内の血管が狭くなって栄養不足になってしまいます。
それに加えて、食事量の多さはこれらに含まれる主要な栄養素であるタンパク質、脂肪、炭水化物が過剰となり、
脂肪と炭水化物は体内で糖に変化するので、これが血液中に大量に存在すると、血中のタンパク質と結合しやすくなった結果、糖タンパク結合体となって、大きな分子として、腎臓の糸球体・細尿管機能をくるわせ、
これをとり省こうとするマクロファージをはじめとする各種白血球との炎症反応などによって腎機能の低下をきたしてしまいます。
またタンパク質というものは、体内で分解・合成過程を経て、筋肉やホルモン、酵素などの材料になるものですが、
最終的に尿素窒素、尿酸、クレアチニン(筋肉の代謝産物)等に変わっていきます。
これらの成分は、体内外においてはほとんど腎臓を通ってしか排出されない(汗によって少量体外に出る)ので
タンパク質の多量摂取は腎内組織に疲れを生じさせます。
次に、人間は、タンパク質、脂肪、炭水化物をどれくらいの割合で食べればよいのでしょうか。
基本的な考えとして、人の歯の形から比率を見てみるとどうなるのでしょうか。
人の歯は全部で32本あり、穀物をすりつぶす臼歯が20本、野菜や果物を食べる前歯が8本、魚・肉を食べる犬歯は4本となっています。
以上より、米・パン等の穀物を60%、野菜・果物を25%、魚・肉を10%ぐらいの割合で食べるのが人間の食性にあっているようです。
特に腎臓に変調のある人は、魚・肉の10%に注意して、これを下げていく必要があります。

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