ー大阪・枚方・福本鍼灸院の東洋医学・漢方の世界ーアンケート

腰痛のメカニズムと漢方的考察


なぜ腰部に多く痛みが発生するのか


それは、胸部、腹部の背骨は曲がりにくくできていて、腰部、いわゆる腰椎部の関節は

前後に特に曲がりやすい仕組みになっています。その分、腰椎と筋肉、神経、血管との関係が

複雑になっており、トラブル、つまり痛みも多く発生するのです。

痛みの発生は、神経組織に対する圧迫、刺激が主のものですが、その原因としては、

骨の老化による変形、慢性疲労による背骨全体の曲がり、椎間板の変形、筋肉の硬化、

背骨全体のゆがみ、骨盤のゆがみ、腹部・骨盤内臓の病変などが主なものです。

しかし、ほとんどの腰痛の基本的な原因としては、

骨の老化と筋肉の硬化に求めることができます。


次に、漢方理論においては、骨の形成を促すものは、『腎』つまり副腎・腎臓です。

そして、筋肉の働きを良くするものは、『肝』つまり肝臓です。

又、腎の変調は、冬に多く発生し、肝の変調は春に多く発生するもので、

腰痛も冬から春にかけて多く見られます。


次に、腰痛の基本的原因としての背骨の曲がりについても知っておく必要があります。

はじめに、骨の老化や、慢性疲労、つまり『腎の変調』や

『肝の変調』による筋肉の衰えから来る、背骨の変化による

曲がり具合を、体の側面から見てみましょう。

右図のような時、いわゆるあごが上がっている状態になり、

背中が丸く盛り上がり、おなかが前方に突き出た感じになります。

このような時は、一般的に、腰骨の後ろより神経が出ているので、

この神経が圧迫される為に、痛みが生じやすくなります。


二番目に、肉体的、精神的なストレスによって

肝臓に負担がかかる事によっても、背骨は左右にゆがみ、

当然腰椎にも変化が起こり、椎間孔より出ている神経に

圧迫が加わり痛みが出ることが多くあります。

ストレス状態の時には、肝臓を守る為に、内臓体壁反射を起こして

右の肩甲骨の下部に筋肉のコリを生じさせます。

その結果、その部分の背骨が右に寄り、その影響が上・下に及びます。

下部に至った背骨のゆがみが腰痛の原因になります。


以上のように、背骨の曲がり、ゆがみも、左右のゆがみ・前後のゆがみというように、

多面にわたって診ていく必要があります。


腰痛一般における養生法


運動療法(筋肉をよくする)


一般的に腰痛の時は、骨の異状を第一に考えることが多いのですが、

実際に骨を正しい位置に固定しているのは、腱とか筋肉であり、特に全身の筋肉の状態を

常に柔軟性に富んだものにしておくことが大切です。

これには筋肉中の疲労物質を速やかに肝臓に運んでやることが最も重要なことです。

このように、肝臓が良く働いてくれていると、筋肉を走っている神経や、血管に対する圧迫が,

取れて血流が促進され、神経の痛みも起こりにくくなるのです。

逆にいうと、全身の適度の筋肉運動によっても疲労物質が肝臓に流れやすくなります。

これには、軽い散歩が第一でしょう。

腰の痛みがほんの少ししかない時か、痛みがない場合には、1日30分くらいで、

周りの風景をよく認識できるくらいの速さで、楽しみながら歩くことが大切です。

心身ともリラックスさせることが大切です。


食養生

肝臓が良く働くためには、微量栄養素が必要となりますので、特に調味料としての砂糖は

少し色の付いたもの(三温糖など)、塩は天然塩を使用するように心がけましょう。


骨を丈夫にする

腰痛の大きな原因の一つとして、骨の異状、つまり骨の老化による変形、仮骨の形成

骨粗鬆症による椎骨のへしゃげ、椎間板の変形などがあります。

これを防ぐ為には、カルシュウムをはじめ、各種栄養素の正しい体内への吸収が必要となります。

なお、骨の成分における、カルシュウム含有量は思いのほか少なく約25%です。

カルシュウムを多くとっても、体内へ正しく吸収されない場合や、

必要以上のカルシュウムは体外に排出されます。


漢方理論によると、骨、骨髄は、『腎』つまり副腎、腎臓が深くかかわっているとされます。

それでは、『腎』を強くするにはどうすればよいのでしょうか。


漢方理論での答えは、『肺・大腸』を強くすれば良いとなっています。もっとさかのぼると、

『肺・大腸』は『胃』に影響を受けるとあります。(基礎教養講座K1講:漢方の基本参照)

骨の弱い人のなかには、常に胃腸のの調子が悪く、便秘がちの人も多く見られます。

その事から、骨の弱い人で胃腸の調子が悪い人は、まず胃を正常にする必要があります。

これには、第一に食べ過ぎないこと、間食を減らすこと、

ビールなどの冷たいものを冬季にあまり飲まないことなどが大切です。

これを守った結果、『胃』の調子が良くなると、『肺』の調子も良くなってくるものです。

そうすると、『腎』の調子も良くなって、『骨』も強くなってくるものです。

次に、軽い散歩や、運動により、骨に圧を加えることによっても、骨組織が強くなります。

又、1日1回、最低30分から1時間は日光にあたることが大切です。

日光にあたることにより、骨組織の形成が促進されるからです。

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